JUASの調査によると、システム導入プロジェクトの7割がQCDの観点で失敗しています。また、同調査によるとシステム発注側であるユーザ企業が関わる部分に原因があったと捉えている企業が多いようです(参考:企業IT動向調査2017[JUAS])。

本コラムではシステム導入を成功させる為に、ユーザ企業が陥りやすい落とし穴を順次紹介します。
今回は落とし穴その4「運用準備の見落とし」について解説します。

落とし穴事例

  • SIベンダーの提示したスケジュールに「マニュアル作成、教育」という項目があった。ユーザ企業側は”自社の利用部門に対して教育する”と捉えていたが、SIベンダー側は「システム管理者向けの教育(利用者向けはユーザ企業が実施)」と捉えていた。移行フェーズ時点で認識相違が判明し、利用者向けの教育や多くの問い合わせ対応に追われ、想定外の工数がかかった。
  • 新システムの稼働が始まったが、実際のシステム運用に関する教育が不徹底だった為、システムと実際の業務の動きが一致しないことも多かった。現場はその場しのぎで何とか動かそうとするため、業務は混乱を極めた。

 

原因の深堀り

上記の事例の原因を深堀りすると、下記2点があげられます。

①導入後の運用より、導入自体に注目している

多くのユーザ企業の”システム導入プロジェクト”のスケジュール表では、”導入プロジェクト”なので新システムリリースがゴールとなっています。
このように、つい導入自体(特に機能要件)に着目しがちですが、本来、新システムで業務を遂行できるところまでがゴールのはずです。
また、JUASの調査によると、システムの導入費と運用保守費の比率は4:6で、実は運用保守費のほうが高くつきます(参考:企業IT動向調査2017[JUAS])。
業務遂行にあたり、社内周知や現場教育徹底、ヘルプデスクの用意等、運用に向けた配慮が必要となります。

②SIベンダーが作成するマニュアルだけでは現場教育不十分

SIベンダーは新システムを導入する際、マニュアルを納品することも多いですが、そのマニュアルは”システムの操作マニュアル”であって”業務マニュアル”ではありません。
現場がほしいのは、「日々の業務の中で、システムのどの機能をどの様に使うのか」が記載された”業務マニュアル”なのですが、SIベンダーは原則ユーザ企業の業務内容に関与しない為、いざシステムを利用しようとした際に”業務の中でどう利用したら良いか”が分からず現場が混乱します。

 

次回コラムでは落とし穴その5「移行業務における連携不足」について解説します。

 

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