今回は当社が実際に計測したデータを用いて、暑さ指数のリアルをご紹介したいと思います。
場所によってどれくらい暑さ指数が異なるのか
早速ですが、以下のグラフをご覧ください。
このグラフは、同じ町内にある公立小中学校4校の、グラウンドの暑さ指数の変化を、折れ線グラフで比較したものです。
グラフ中の色付きの横棒は、黄色が”厳重警戒”の28℃、赤色が”危険”の31℃のラインです。
※参照 環境省 熱中症予防サイト 「暑さ指数とは?」https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
各学校の暑さ指数が、全く異なっていることがお判りいただけると思います。
実は、この小中学校4校は、半径1.3km程の範囲内という、狭いエリアの中に位置しています。それでも暑さ指数は4か所共バラバラなのです。
実は200mも離れていない
特に暑さ指数が”危険”に達している青色のグラフの「小学校B」と、“厳重警戒”の茶色のグラフの「中学校A」のグラウンドは、直線距離で200mほども離れていません。屋外であれば、その一帯の暑さ指数はそれほど違わないのでは?と、想像してしまいがちですが、実際は周囲の構築物などの環境により大きく異なるのです。
暑さ指数の方針に照らすと、
・「小学校B」(青色のグラフ)・・・運動は原則中止
・「中学校A」(茶色のグラフ)・・・激しい運動は中止か、積極的に休憩をとる
となり、熱中症対策の判断も異なってきます。
適切な熱中症対策をするためには
今回ご紹介したデータでお判りいただけたと思いますが、ちょっとした場所の違いによって、暑さ指数は異なります。
つまり、熱中症対策のための適切な判断をするには、活動している場所の暑さ指数を計測することが重要です。
環境省の熱中症予防サイトでは、11地点の実測値と829地点の実況推定値の暑さ指数を公表していますが(2023年10月時点)、環境省発表の暑さ指数はあくまで参考値であり、原則、各活動場所で暑さ指数を計測の上、活動を判断すること、としています。
※参照 環境省 熱中症予防サイト 「環境省で提供する暑さ指数(WBGT)について」https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_detail.php
暑さ指数を現場で計測して、熱中症対策をしていきましょう!
熱中症対策にあたっては、是非の環境省のHPも参照ください。