上場会社などのIR資料を見ていると、時にびっくりすることがある。欧米流の経営が日本に紹介され、株主至上主義になるにつれ、経営者は主要な経営数字について株主が納得(喜ぶ)ような形で意思表明しなければならなくなった。それ自体は悪い面もありはするが(短期志向になるなど、、)否定するものではない。ところが、それらの数字を見ていると実にゴロのよい数字に出会わすことがある。

100とか、1000とかきりのよい数字が並んでいるのである。

現実の経営数字をもとに現実的な計画を立てた場合に、本当にそのような数字になる可能性は非常に低いと思う。そのような数字が並んでいる資料を見つけると、本当にこの会社は大丈夫なのだろうか?と心配してしまう。そのようなものを発表している会社の経営企画は本当に機能しているのだろうか?またそのようなものを世間に対して声高に説明してしまう経営者は本当に大丈夫なのだろうか?と。私が一番驚いた数字を出していた会社は、その後下方修正の連続が続いている。きりのよい数字を目標にすること自体は悪いことではない、聞いている株主、従業員ともに理解しやすいわけであるから頑張ろうという気にさせる効果も期待できる。ただし、複数の経営数字が同じ目標数字であったり、全てきりのよい数字であったりすると。それは単なる精神論(イメージ)であって、現実的なものではない、そんな数字を金科玉条のように押し付けられたら従業員はたまったものではないし、近年の保守化した企業風土の中で予想もしないような色々な問題を社内に引き起こしていくことにもつながってしまうのではないだろうか?と心配する。