雑誌か何かを読んだ際に、ビルゲイツさんが「ロボットに税金を」というようなタイトルを見かけた記憶があり、なぜそんなことをとずっと思っていたのだが最近自分なりに理解できたのでここに書いてみたい。(ビルゲイツさんの意図と違っていたらごめんなさい)

工場で人がロボットに置き換わると、そこに労働者はいなくなる。現在の資本主義というのは「労働」が「付加価値」を生み出し、その「付加価値」を資本家が労働者と分配することで成り立ってきているわけである。

では、そこから「労働」がなくなるとどうなるのだろうか?

答えは簡単で、資本家が工場から生み出される付加価値を独り占めすることが可能になる。労働者は、自身の「労働」で「対価」を得ることが難しくなり、お金はよりお金をもっている人のところに集まるようになる。資本主義の仕組みがそもそもそういうものなので、今更騒いでもということではあるがそれがより極端になっていくわけである。まさに「デジタルデバイド」が顕著になる。

結果として、労働者は既存の体制に対して不満を抱くわけで、資本主義、民主主義といった現代世界の基本的な部分が失われていく可能性が出てくるのではないだろうか。それを防ぐためには、そのような構造になった社会においても、労働者に富を分配する仕組みを作る必要がある。それがロボットに課税をという話ではないだろうか。徴収した税金を、「対価」を得られる「労働時間」を提供する機会が少なくなる労働者に分配することで労働者の生活を守る。労働者はより少ない時間で同じ生活をすることができるようになるとも言える。もちろん、労働者にとってそのようなバラ色の人生ではないシナリオも存在する。

実際には色々と考えなければならないことはもっとあるので、そんな簡単な話ではないと思うがビルゲイツさんも色々なことを考えているのだなと。(再度言うが、違っていたらごめんなさい)