日本は四方を海に囲まれた島国である。このことによって陸続きに他国がある国々とは異なる文化を築き上げることができた。そこにはよいこともあるし悪いこともある。
文化には色々なものがあるが、コミュニケーションを題材に話をしてみたい。
ほぼ単一民族で構成されていた日本では、様々なものに関し理解が共通のことが多くなる。
食事と言えば、白米とおかずがまず連想され、朝食であればパンを想像する人も近年では増えているものの、夕食にパンを想像する人はいないであろう。また、お酒と言えば、日本酒、焼酎を連想し、ワインを想像する人はゼロではないがまだまだ少ないのではないだろうか。
このような環境においては、お互いに言葉にしなくてもよいものが増えてくる。
結果として日本語は他の国から見れば曖昧な部分が多くなる。一方アメリカの様な移民が大多数を占める国では双方の“当たり前”が異なるために、曖昧な表現、言葉でのコミュニケーションは成り立たないために、なんでも具体的に表現することが必要になるし、双方の意思をはっきりさせるために、YES,NOを明確に表現することが求められる。
日本が曖昧の極致だとすると、アメリカはその反対側に位置するのではないだろうか。
一般的に、日本のようなコミュニケーションスタイルとHigh Contextのコミュニケーションと呼び、アメリカをLow Contextと呼ぶ。アジアの国にはアメリカに比べればHigh Contextの国もあるが、日本に比べればやはりLow Contextなことは間違いがない。
よって、海外でビジネスをする際にはLow Contextのコミュニケーションスタイルが望まれるのであるが、そもそもその違いさえ理解していない日本人は“なぜそんなことがわからないのか?”とか“だからだめなのだ”とか“なぜもっと早く言わないのだ”など様々な言動をはくことになるのだが、そんなことを言っても現地の従業員は嫌な気分になるだけであって、日本人が望むような形には一向にならないために双方がフラストレーションをため込むことになる。さすがに今の時代そんなことはないのでは?と思う人は多いのだろうが、ここではあまり具体的な事は書かないが私から見ると8割以上の人が問題を抱えているように見える。これは現地の問題ではなく、日本本社の問題である。まずは日本本社の幹部から変わることが求められている。クロスカルチャーへの対応は単にコミュニケーションだけの問題ではなく多岐にわたる視点で求められており、今後日本企業がグローバルでパフォーマンスを発揮していくためには乗り越えなくてはならない壁である。