電源レスセンサーの必要性シリーズ2回目になります。前回(IoT:電源レスセンサーの必要性について①)にて、IoTにおける電源確保の課題と、理想的な電源供給について考察しました。
エッジ側での電源確保が課題(As Is)であり、ToBeとして以下のポイントがあげられます。
①設置が簡単にできる
②メンテナンスに手間がかからない
③それを実現するデバイスが容易に入手できる(コスト、流通等)
今回はその実現について考えてみたいと思います。
ポイントとなる技術
①、②を解決するために、2つの技術がポイントになります。
・エネルギーハーベスティング
エネルギーハーベスティングとは、身の回りの微弱なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換する技術のことです。分かりやすいところでは、太陽光発電です。光、熱、圧力、振動、電波など、様々なエネルギーで研究が進んでおり、徐々に実用化されだしています。
・超低消費電力でのセンサー駆動・電波通信
超低消費電力での、IoTデバイスに必要な機能(制御、データ取得、電波通信等)の実現です。特に電波通信には一定量の電力が必要となり、LPWA(Low Power Wide Area)また0Gと称される電波であっても、要件によっては太陽光などではなかなかカバーしきれません。実現には、一定の機能のトレードオフは必要ですが、従来の設置及びメンテナンスコストとの比較においては、有意義な選択となりえます。
上記2つのポイントが実現されると、センサーデバイス周辺の配線が不要になり、理想の電源供給へ近づきます。実際にそういった製品も登場しています。EnOceanⒸなどは、欧米のホテルが、客室内の電気スイッチに採用した事例もあります。
また、エイムネクストの地域IoTでも、一部でこの製品を採用しています。エッジ側のデータ取得部分においては、非常に利用しやすいものだと感じています。ニーズが顕在化し供給が増えれば、冒頭のポイント③をクリアし、一般的に普及する日も遠くないと感じています。
電源レスセンサーデバイスの必要性
2回に渡って書いてきましたが、今後、IoTシステムの更なる普及を考えた時に、電源レス(電源確保を意識させない)センサーデバイスの普及が、重要なポイントになります。
IoTシステム構築は、エッジ側のH/WやS/W、通信技術、さらにはサーバーサイドと、総合的かつ各分野の専門的な知識が必要となり、非常にハードルが高いものです。
それに対し、エネルギーハーベスティングなどの便利な技術の実用化が進むことで、IoTシステムに取り組むハードルが少しずつ下がり、IoTシステム導入の投資対効果をより確実なものにすることができると思います。
エネルギーハーベスティングの技術を用いたIoTセンサー、デバイス(IoT、LPWA)の開発/製造を、検討中または可能な業者様は、是非弊社までご一報ください。
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