弊社が宮崎県高鍋町で展開しているIoTプラットフォームにはLoRaWANも活用されています。 そこで今回は、LoRaWANネットワークの構成に必要な各要素に関して説明したいと思います。
LoRaWANとは
そもそもLoRaWANとは?というところをまずは簡単にご紹介するため、LoRaWANの特長を列挙します。
- LPWA:Low-Power-Wide-Areaの略で少ない電力で広いエリアをカバーすることができる通信です
- 920MHz帯:国内で免許不要で利用可能な周波数帯(ISMバンドともいう)を使っています
- IoT向きの通信:1回に送れるデータ量は11byte~242byte(データ量は通信設定に依存)と少量だが、通信距離は数km~10数kmと長距離
- LoRa Alliance:LoRaWANの仕様策定を行っている非営利団体
ネットワーク構成
それでは実際にLoRaWANネットワークの構成要素を見ていきたいと思います。
LoRaWANネットワークを構成するにあたって必ず必要になる要素は以下の3つです
- エンドデバイス
- ゲートウェイ
- サーバー
上の図が3要素の関係を簡単に表したものです。
3要素それぞれがどのような役割を担う物なのか、順に見ていきたいと思います。
エンドデバイス
エンドデバイスの主な役割は物(Things)が持つデータをLoRaWANの通信方式に変換して送受信することです。LoRaWANで送受信されるデータの形式は11byte~242byteのサイズ内で利用者が自由に決めることができ、そのデータをLoRaWAN通信方式に載せて送受信します。
エンドデバイスはセンサーからのデータ受信(無線/有線)、データ処理を行うマイコン等、LoRaWAN送受信を行うモジュールなどから構成されており、センサー一体型の市販品を用いるかマイコンボードなどを使って自作するなどして入手できます。
ゲートウェイ
ゲートウェイはエンドデバイスから送られてきた(またはエンドデバイスに送る)LoRaWAN通信とインターネットを接続する役割を担います。
1台のゲートウェイで複数のエンドデバイスとの通信(同時に通信可能なエンドデバイスの数はゲートウェイの仕様に依存)が可能で、ゲートウェイを中心に半径数km~10数kmの範囲にあるエンドデバイスとの通信をカバーすることができます。ただし、通信距離は周辺環境の影響により大きく左右されるため、ゲートウェイを設置する際は、障害物が少なく見晴らしの良い場所などが推奨されます。
ゲートウェイはほとんどの場合、市販品を購入することになると思います。
サーバー
最後はサーバーです。LoRaWANネットワークを構成する場合、サーバーは
- ネットワークサーバー
- アプリケーションサーバー
の2つに分かれます。
ネットワークサーバーはゲートウェイとの通信を主に行います。
アプリケーションサーバーはアプリケーションとのデータやり取りを主に行います。ここでいうアプリケーションとは、実際にIoTサービスを提供する場合はLoRaWANサーバーのソフトウェアだけでは不十分で、WEBのインターフェースやデータベースが必要になることが多く、ここではそれらを指しています。
これらサーバー(のソフトウェア)の入手に関してはゲートウェイの仕様に合わせて自作する、OSSを利用する、市販品を購入するなどの選択肢があります。
最後に
今回はLoRaWANネットワークの構成を大まかな部分を見てきました。この他にもエンドデバイスの構成、LoRaWANのセキュリティに関すること、ゲートウェイのカバーエリアのことなどご紹介できることがあるかと思いますので、追ってご紹介したいと思います。
また、弊社では実際にLoRaWANをネットワーク使ったIoTの視察や、手軽にLoRaWAN通信を体験できるトライアルキットもご準備しておりますので、そちらもご検討頂ければと思います。(地域IoT視察ツアー)