LPWAとは
LPWA(Low Power Wide Area) という言葉に明確な定義はありません。
低消費電力でなおかつ遠距離の通信を行なう通信方式の総称です。トレードオフとして通信速度は遅いものが一般的です。
近年の IoTの人気にともない、通信速度の遅さは大きなデメリットとならないことから、注目を集めています。
主な LPWA
LoRa
最大でも 250KBps程度、一般的には 10KBps程度となる低速なものですが、通信時でも数10mA 程度の消費電力で、数Km 単位で通信が可能です。
日本では免許不要のサブギガ 920Mhz 帯を利用しますが、各国の法律により周波数帯がことなります。
ノード間で Peer to Peer がサポートされています。
双方向に通信できるため、エラーの検出や、検出時の再送などのコントロールが可能です。
LoRaWAN
LoRaWAN は LoRa にルールを加えて複数LoRaノードを共存させるための通信方式です。
同一のエリア内で複数の通信を行なうためには、なんらかの取り決めを行ない各ノードが通信を行なうタイミングを制御しなければ相互にノイズとなり、効率的な通信はできません。
LoRaWAN では、基地局(Gateway)を設置し、各ノードは決められた範囲でGatewayと通信を行ないます。
IoT ノードから情報を集めるような利用目的の場合、LoRa という呼称していても LoRaWAN を利用しているケースもあります。
EnOcean
EnOcean は、圧倒的な低消費電力 50μWsで、見通しで最大300m まで送信可能な通信方式です。
通信速度は 125Kbps と遅く、基本的には単一方向への通信です。
チェックサムによるエラーチェックを行ないますが、双方向でないためエラー時の再送などは困難です。
そのため1回の送信で同じ内容を複数回送信することで、エラー率を下げるなどの対応を行ないます。
EnOcean の特徴は、他のLPWA と比較しても類を見ないほどの低消費電力です。
屋内の運用であってもカード電卓程度のソーラーパネルがあれば、十分に安定した電力が得られ数日光がない状態でも稼動させることができます。
またドアの開閉、押しボタンの押下などで発電できる程度の電力でもEnOcean の通信には必要十分な電力量です。