初めに
KPIの国際規格であるISO22400が策定、日本語訳も発表され、弊社HPにも多くの方々が見に来ている。
ここでは、ISO22400の概要と使い方について、個人的な考えを述べる。
(1) ISO22400とは?
ISO22400 とはKPIの国際規格であり、その内容は、
人的効率、設備効率、在庫・材料効率、品質、環境に関わる6つのカテゴリーに34項目の指標が規定されている。
また、MES/設備系の規格やWGが中心になって作っているので、設備効率がより具体性の指標として置かれているが、
その他の指標は、既に一般的になっているものが中心になっているので、指標はあくまで参考とした方が良いだろう。
参考:ISO22400で規定されるKPI一覧

(2) ISO22400の活用方法
先にも述べたが、ISO22400の活用方法は、KPIを作る上での参考にすることが望ましい。
KPIを使ったマネジメントでは、目標値の設定、対策・改善活動、評価のサイクルを回していくことになる。
そのためにISO22400で規定されるKPIを使えないか考えるが、必ずしも書かれた指標だけでは十分ではない。
というのも、ISO-22400に規定されるKPIは生産プロセスにおける、ごく当たり前な指標も多く、
例えば、生産オーダーのうち設備が稼働していた時間を測る利用効率や、
生産数のうち手直しを行った製品の割合を測る手直し率などが含まれている。
こうした基本的な指標は確かに重要な指標である一方、生産プロセスを細分化して問題点を探ることや、
生産現場が抱える問題を正確に数値として測ることができない。
そのため、実際のKPIを使ったマネジメントには、工程別や要素別に分解し、
各生産現場に合わせて設定した指標を作ることが必要になる。
とはいえ、これからKPIを使ったマネジメントを取り組む人にとっては、ISO22400は良い教材になると考えられる。
ISO22400では、優れたKPIの特徴やKPIを作る上での必要となる着眼点を列挙しており、
基本的な指標が、6カテゴリー34項目で簡潔にまとまっている点は、気後れなく学習に取り組める要素である。
(3) 終わりに
ISO22400で規定されるKPIは、様々な工程に適用できるよう、最大公約数的な設定をしているため、
基本的な指標が含まれており、KPIを作るための参考資料や、KPIをこれから学ぶ人への良い教材として役立つだろう。
この記事を読んで、ISO22400のより詳しく知りたいと思っていただけならば、
下記ページに詳しい説明を用意しているので、参考にしてほしい。
参考ページ:MES領域のKPI国際標準“ISO22400”