C/C++による開発では、メモリの確保と解放がプログラマの責任です。メモリ管理が不適切だと、他の機能で利用可能なメモリが不足したり、メモリ領域が侵害されたりして、致命的な不具合を引き起こすリスクがあります。
一方、Javaや.NETのような環境では、ガベージコレクションがメモリリークを防ぐため、プログラマがメモリ解放を意識する必要がほとんどありません。また、メモリアドレスを使用したアクセスも発生せず、確保した範囲外のメモリへのアクセスが制限されます。近年では、デスクトップPCやWebアプリケーションで豊富なメモリが利用可能となり、厳密なメモリ管理が求められることが少なくなっています。
しかし、組み込み機器ではメモリの増設が製品コストの増加を招きます。コストが増すと、製品価格の引き上げや利益の削減といった選択を迫られることになります。こうした制約の中では、適切なメモリ管理が製品の安定動作を保証し、コストを抑えた競争力のある価格設定を可能にします。
▶ 特定の操作を繰り返すことで徐々に空きメモリが減少する
▶ 音楽や動画の連続再生により、空きメモリが減少する
▶ 他機器との通信が発生すると、空きメモリが減少する
▶ 明確な原因がわからないが、気づくと空きメモリが減少している
▶ 通信のためのバッファが確保できず、通信が不安定になる
▶ 画像を読み込むためのバッファが確保できず、画像が表示されない