汎用人工知能(AGI)とは
まず、人工知能(AI)と聞いてどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
iPhoneで使用可能な「Siri」や、Windows10で使用できる「Cortana」など、対話やアシスタント機能を持つもの。「AlphaGo」や「AlphaZero」といった囲碁や将棋でプロをも圧倒するもの。人により思い浮かべるものは違うと思いますが、近年様々なAIが開発され、身近なものとなってきています。
ただし、これらはいずれも何かの能力に特化した人工知能であり、一般的に特化型人工知能(Narrow AI、狭いAI、弱いAIなど呼称は様々)と呼ばれています(現在実現しているAIは全てこの特化型人工知能と言っても過言ではありません)。
これらに対して、汎用的な知能を持つ人工知能を汎用人工知能(AGI、強いAIなど)と呼びます。
汎用的といってもどの程度を汎用的というかの定義はありませんが、一般的には人間と同様の知能を持つ人工知能という認識で使われることが多いようです。
例えば映画で言うと「ターミネーター」や「マトリックス」のような世界、漫画・アニメで言うと「ドラえもん」などもAGIのイメージに近いでしょう。
現状のAGI技術について
残念ながら2018年現在では、AGIの実現はできていません。
AGIを実現するためには、まず以下の二つをクリアする必要があると言えます。
- 人間の知識(脳)についての理解を深める(認知アーキテクチャ等)
- それらの知識をロボットなどに知識として与える(認知ロボティクス等)
これらをクリアするために、認知アーキテクチャの研究(人間の脳や認識処理の研究)や、認知ロボティクスの研究(ロボットなどに知識を与える研究)、またAIブームのきっかけとなった既存の学習能力(機械学習や深層学習など)をどのように活用できるかといった研究が進められています。
今後の展望
AGIの実現がいつになるのか?様々な研究者が予測していますが、そう遠くない未来と言われています。
人工知能研究の世界的権威である「レイ・カーツワイル」は、2029年にはAGIが人間の知識を超えると予想しています。更にナノテクノロジーの発展やコンピュータ処理能力の向上により、2045年には人間の能力や社会が根底から覆ると予測されています。これらは「技術的特異点(シンギュラリティ)」、「2045年問題」などと呼ばれています。
ここまでAGIが発展すると、AGIが自らを改良し続けることにより、爆発的な進化が起こると言われています。
感想
色々と調べてみましたが、本当に今後数十年でここまでの技術進化があるのかというのが率直な感想です。上記に記載したように、人間の脳や認知に関する研究もまだまだ時間が掛かりそうですし、量子コンピュータなどといった関連する技術の発展もまだ先になるのでは?と考えてしまいます。
上記に記載した、レイ・カーツワイルの予測に関しても様々な議論があり、AGIが人間の知識を超える日は永遠に来ないと予測する方もいるようです。
しかし、実際にAGIの実現やシンギュラリティが実現したらどのような変化が起こるのか、非常に気になるところではあります。
・人に変わってAGIが労働を担う
・機械の体と融合して不老不死になる
・地球外の惑星で生活できる
・仮想現実空間で生活できる
どれも信じられないようなことですが、シンギュラリティ後の世界ではこれらが当たり前のこととなると言われています。
本当に実現するのかはわかりませんが、今後どのような展望を迎えるのか、随時情報を更新していきたいと思います。
参考:
Wikipedia – Artificial general intelligence (英語ページ)