工場でのIoT 事例から学ぶ効果と課題
~データドリブンなマネジメントに向けて~

工場でのIoT化で期待される効果と実際

スマート・ファクトリーをはじめとする工場のIoT化は、在庫削減やリードタイムの短縮を通じたキャッシュフローの改善、品質やトレーサビリティの確保のレベルの向上や効率化など、様々な効果を見込んで導入が決定されます。しかし、多くの障害が実現に立ちふさがり、中々思ったような効果が出ないという事例も少なくありません。効果の実現に向けては、データを現場の出来事に置き換えて考える“抽象化の技”、製造現場での“あるある”への知見、そして、計画立案・調達・製造・検査・出荷という業務全体像への理解と知識という3つの要素、が揃う事でやるべきことが明確になります。具体的にどのようにしてやるべきことを明確化し、それを実現してゆくのか、我々の体験の一部をお伝えします。

工場でのIoTの業務全体像

事例1~データは見えるが課題と施策が設定できない~

IoTシステムは導入したが何の効果も生み出せない、それどころか、課題が設定できず活動も開始できない。その様なケースがあります。これは、そもそもデータが何を意味しているのか、が想像できない、もしくは、取得する仕組みを作ってみたは良いが、データ自体が現実の何も反映していなかったという事によります。しかし、データを組み合わせたり、少しだけ追加のデータを簡単なやり方で取得するといった事で、意味のあるデータ、つまり、改善のヒントがデータから浮き彫りになる事は少なくありません。

    【エイムネクストで実現した課題設定と施策の例】
    データの中に潜んでいた短縮可能なリードタイム:
    滞留時間データは取得できたが、データに規則性が見いだせず短縮余地があるのか分からなかった、というケースにおいて、現場の業務の実態を見て平準化の施策の仮説を立てデータを再検証した結果、改善機会が浮かび上がった。そして、平準化施策とリードタイム短縮策の両方を立案・遂行することで、効果を創出。

“このIoTシステムは期待通りの効果が出ていない”という気持ちになりかけている方、IoTシステムは本当に効果が出るものなのか疑問に思っている方、一度お問い合わせください。

事例2~ポイントは明確だが進まない~

データを見ればやるべきことは明確なのに、仕組みの制約、なぜか現場で発生する不都合な事象(突然の欠品や不具合等)、現場担当者の記憶に深く根付いた過去の出来事といったことにより前に進めない、という事態も、改善・改革を阻むよくある事態です。様々な個別の事象にこだわり、すべてをクリアしようとする為に、折角見つけた改革/改善の機会を現実のものにできないまま時間が過ぎてゆく、という経験を持つ方も多いと思います。ここで必要となるのは、詳細を理解しながらも大きな方向性を目指して仕事の在り方を変えてゆく視点と意思決定、そして、その意思決定にリアリティを持たせる為の組織・階層間を跨いだファシリテーションとコミュニケーションです。

    【エイムネクストで実現した課題設定と施策の例】
    在庫削減の実現の障害となっていた過去の体験:
    データからすると削減できるはずの在庫が、なぜか削減が進まない、という状態があった。そこで、原因が調達部門及び製造現場で運用されている、部門としては正しい業務ルールにあること、及びそのルールの背景にある過去の体験を発見した。その上で、定量的に表現した業務ルール、ルールの背景、そして見直し方針を上位者に報告・提言すると共に、新しいルールの立案と導入の支援を行うことで在庫削減を実現。

“やれば良いだけなのになぜ進まない?”と疑問をお持ちの方、思わぬところに思わぬ課題が存在しているかも知れません。是非、一度お話をお聞かせください。

IoTやスマート・ファクトリーならではのメリットと実現の要件

IoTやスマート・ファクトリーシステムは、データの収集とプランの検証の手間とスピードを大幅に向上させます。これまで情報システムの中にバラバラに保管されていた、場合によっては山ような伝票をめくることでしか得られなかった、工程全体を通した情報を、ワンクリックで参照できるようになります。しかし、このデータを活用し、IoT化された工場、スマート・ファクトリーならではの効果を実現するには、これまでの改善活動とは異なるアプローチが必要になります。
スマート・ファクトリーから得られる情報は、工程だけではなく、工場全体の情報です。例えば、工程だけでなく、ラインの先頭から出荷までのトータルリードタイム、部品の購買情報から顧客に出荷したシリアルナンバーまで紐づけられたトレーサビリティ情報等、これまでは中々得ることが難しかった情報です。これを活用することで、個々の部署の活動では得られなかった、大きな効果を得ることが出来る一方で、部門を跨いで連携した活動を行うことが、その効果を得るためには必要となってきます。

    【例:製造から出荷までのトータルリードタイム短縮】
    関連する部門全体が協力するのは勿論、全体を通じた業務の流れの設計、それに伴う各種の部門間の調整は、上位者の意思決定が必要となる。
    例えば、下記の例で言えば、トータルリードタイムとボトルネックが見える化されたとしても、それを短縮する施策を実現する為には、これらの部門を跨いだ業務を設計すると共に、工場長が調整を行う事が必要となる。
    IoTによる改善活動における組織と業務

“やればよいだけなのになぜ進まない?”と疑問をお持ちの工場長様、役員様、お心当たりはありませんでしょうか?



参考:KPI設定

データを収集するだけでなく、データに基づいて現状の状態を把握すると共に、課題の抽出、改善プランの策定、及び検証を行う事で、はじめてデータドリブンなマネジメントが実現します。業種や現場の特性などによって重要なデータの重みづけは異なりますが、一つのISOではMES領域におけるKPIの体系を定めています。改革に取り組む際の一つの考え方としてこれをベースに検討を始めることも有効な手段と言えます。
参考リンク:MES領域のKPI国際標準“ISO22400”

エイムネクストのサービス

IoTの取り組みで得られるデータを活用したデータドリブンなマネジメントの実現に向け、以下のようなサービスを提供しております。
○データから見える、目指す方向と効果の検討
○効果創出の為の施策の立案
 《例》
  ・リードタイムを短縮できる工程の洗い出し
  ・在庫削減機会がある部品・半製品・製品とロケーション
○施策の実行に必要となるタスクの調査と設定
 《例》
  ・情物一致を阻害しているする作業ルール
  ・在庫数量のアンバランスを生んでいるシステム運用方法
○IoTデータ活用の定着に向けた業務や会議、役割の設定、遂行に向けたファシリテーション
○更なるデータ活用に向けたデータ活用方法の検討・定着に向けたツール開発

お問い合わせをお待ちしております。


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