Industry4.0、IoTで何を目指しますか?
現状を見ていると、プロダクトアウト的な動きをしている企業、団体が多く見受けられますが、手段と目的を間違えてはならないと思います。当り前のことですが、「目的をはっきりした上でIoTをどう活用していくのかを検討する」というステップがセオリーになります。とはいえ、「ではどのような目的を?」という方も多いのではないでしょうか?そこで、一般的に考えられるIoT活用の目的として大きく4つの方向性を挙げてみました。
IoT活用の目的
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自社ビジネスモデルの変革
製造・モノの販売から、製造・販売・サービス型への変革(顧客の収益への貢献)
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自社製品の機能強化
顧客が求める機能の的確な汲み取りと集中強化による顧客満足向上
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新規ビジネスの創出
異分野のニーズの収集・分析、自社シーズとのマッチングによる新規ビジネス創出
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自社のパフォーマンス向上
生産性向上、品質向上、CF増大など自社パフォーマンスの向上の実現
IoTの議論とは少しずれますが、海外でディスカッションをしていると、日本企業の課題が見えてくることがあります。その一つが“ROI病”です。最近、何でもかんでも何かを始める前にはROIの見通しを求める傾向にあると感じています。しかし、あまりにROIにこだわると縮小均衡に陥ってしまうのでは?と危惧しています。
上記の4つ目的のうち、④に関しては比較的ROIを考えやすいとは思いますが、それでもやってみなければ分からないことは多々あります。スマート・ファクトリー®も1つのインフラという考え方なのですが、「これを入れたら幾ら儲かるのか?」という議論になってしまいがちです。
①、②、③に至っては、やらなければIoTを活用する競合にシェアを奪われるリスクがある訳ですから、やらないことで支出は発生しない代わりに、売上を奪われていくという、ビジネス的には本末転倒な結末になってしまうのではないでしょうか?