デジタルツイン(Digital Twin)とは、3D-CAM解析や、設計時のモデリングといった、コンピューター上に実態の双子を作り出し、様々なシミュレーションを行う、既存の3D解析技術の総称です。
これは、決して真新しいでテクノロジーではありません。
ではなぜ、今、「デジタルツイン」と名を変えて、再度注目を浴びているのでしょうか。
その理由は、デジタルツインが工場の スマートファクトリー化の促進や、製造業へのIOT導入の実現方法になり得るからです。
ここでは、デジタルツインの活用案を、2つ紹介いたします。
従来、デジタルツインの技術は、主に工場建設時に、図面の3Dモデルを活用し、設計・建設のシミュレーションに使用されていました。
ただし、一度建屋が完成すると、シミュレーションが使われることはありません。
しかし、今は工場のデジタル化が進み、様々なデータが設備から取得できるようになりました (工作機械のためのオープンプロトコル“MTConnect”など)。
工場のデジタルツインをコンピューター上に作成することで、設備の使用状況に対する一次エネルギーの使用量や、生産計画に対する生産実績のシミュレーションなど、稼働中の工場に対しても活用できるようになります。
3D解析技術は、現在、製品の設計・開発や、生産準備の為に用いられることが主となっており、
設計部門と製造部門は3Dモデルでのやりとりがメインのコミュニケーション手段になっています。
この技術を、さらに営業部門や品質管理部門へ展開し、従来紙面上で行っていたやりとりを、3Dモデル上(デジタルツイン)という、IOTの1手法で行うとどうなるでしょうか。
市場の要望を、デジタルツインを通して、設計部門へ。
製造の不良を、デジタルツインを通して、製造部門へ。
視覚的に情報を得ることができるようになり、認識の齟齬を防止できます。
デジタルツインは、従来の設計開発の手法に加え、今後、製造業の様々な部門の業務を改善する手段としても活用できるでしょう。